こんにちは。ケアウィル代表の笈沼です。
雨の日に車いすで外出するとびしょ濡れになってしまう、片手が不自由で洗濯をする作業がひと苦労、ボタンをとめたり靴下を履くのが大変で外出するのがおっくうになる…。
こうした日々の「困った」に対して、購入費用の最大9割を自治体が負担してくれる制度があることをご存じですか?
この記事では、「日常生活用具給付事業」という制度について、できるだけやさしい言葉でご紹介します。福祉用具の展示会などでお話ししていると、「こんな制度があるなんて知らなかった!」と驚かれるご家族がとても多く、それがこの記事を書こうと思ったきっかけです。
「手続きが難しそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそれほど複雑ではありません。この記事を読み終えたころには、「自分にも使えるかも」「やってみようかな」と思っていただけたらうれしいです。
この制度、ひとことで言うと?
日常生活用具給付事業は、障害のある方の日常生活をサポートするための用具を、自治体が費用の一部を負担して給付してくれる制度です。
ポイントを簡単にまとめると、こんな制度です。
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自己負担は原則1割(所得に応じた上限額あり)
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障害者手帳をお持ちの方、難病の方が対象
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特殊寝台や入浴補助用具などの大きなものから、杖やレインウェアなどの身近なものまでラインナップが幅広い
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お住まいの市区町村が運営しているため、対象品目や給付上限額は自治体ごとに異なる
この制度は「障害者総合支援法」に基づく地域生活支援事業のひとつで、全国の市区町村が必ず実施しなければならない事業として定められています。つまり、どこにお住まいでも利用できる可能性があるのです。
どんなものが対象になるの?
国が定めた用具の種目は、大きく6つに分かれています。
種目:主な例
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介護・訓練支援用具: 特殊寝台、特殊マット、移動用リフトなど
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自立生活支援用具: 入浴補助用具、T字杖、移動・移乗支援用具など
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在宅療養等支援用具: 電気式たん吸引器、ネブライザーなど
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情報・意思疎通支援用具: 点字器、拡大読書器、人工喉頭など
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排泄管理支援用具: ストーマ装具、紙おむつなど
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居宅生活動作補助用具: 手すりの取り付けなどの住宅改修
ここで大切なのは、国が示している品目はあくまで参考例だということ。実際に何が対象になるかは、お住まいの市区町村によって異なります。
たとえば当社が取り扱う「車椅子用レインコート・雨がっぱ」が給付対象となるのは、東京都世田谷区、品川区、練馬区、大阪府 大阪市、京都府長岡京市、茨城県笠間市です。川崎市では「自助具」という品目で幅広い生活支援用具が対象になっています。
「自分が使いたいものが対象かどうか分からない」というときは、まずお住まいの市区町村の障害福祉課に聞いてみるのが一番確実です!
たとえば世田谷区の場合は、区内5カ所の総合支所にある「保健福祉センター保健福祉課」がそれぞれの地域の窓口になっています。このように、大きな自治体では本庁ではなく地域の支所が窓口になっていることもありますので、「どこに連絡すればいいか分からない」というときは、自治体の代表電話に問い合わせれば案内してもらえます。
申請の流れ——5つのステップ
ここから、手続きの全体像を5つのステップでご説明します。
ステップ1:市区町村の障害福祉課にまず相談する
まずは、お住まいの市区町村の障害福祉課(自治体によって名称が異なることがあります)に連絡します。電話やメールでも、窓口でも大丈夫です。
このとき伝えるのは、「こういう用具が欲しいのですが、日常生活用具の給付の対象になりますか?」ということ。製品名や用途を伝えれば、対象になるかどうかを教えてもらえます。
💡 ここがポイント!
何を相談すればいいか分からなくても心配いりません。「日常生活で○○に困っている」と伝えるだけでもOK。窓口の方が一緒に考えてくれます。
ステップ2:欲しい製品のカタログと見積書を用意する
給付を受けたい製品が決まったら、その製品のカタログ(またはWebページの印刷でもOKの場合あり)と、販売事業者からの見積書を入手します。
見積書は、製品のメーカーや販売店にお願いすれば発行してもらえます。「日常生活用具の給付申請に使いたい」と伝えれば、慣れている事業者ならスムーズに対応してくれます。わざわざ販売店まで行かなくとも「PDFをメールで送ってください」と伝えれば、取得までの日数を短縮できます。
💡 ここがポイント!
「見積書ってどうやって取ればいいの?」と思われるかもしれませんが、メーカーに問い合わせれば大丈夫。ケアウィルでも、給付申請に必要な見積書の発行に対応しています。
ステップ3:申請書類を窓口に提出する
必要な書類がそろったら、市区町村の窓口に提出します。一般的に必要な書類は以下のとおりです。
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日常生活用具給付申請書(窓口でもらえます)
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見積書
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カタログ等(製品の詳細が分かるもの。ウェブページのコピーでもOK)
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障害者手帳
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世帯の収入等に関する書類(自治体によっては不要な場合も)
用具によっては、医師の意見書や診断書の提出を求められることもあります。必要書類はステップ1の相談時に確認しておくと安心です。
⚠️ 最も大切な注意点
この制度は「事前申請」が原則です。 製品を購入してしまった後では、給付の対象になりません。必ず、購入する前に申請してください。
ステップ4:自治体が審査し、給付が決定される
申請を受けた市区町村が内容を審査します。認められると、以下の書類が届きます。
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日常生活用具給付決定通知書(あなた宛て)
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日常生活用具給付券(あなた宛て)
同時に、市区町村から販売事業者にも連絡が行きます。
審査にかかる期間は自治体によって異なりますが、おおむね数週間程度です。
ステップ5:製品を受け取り、自己負担分を支払う
給付券が届いたら、販売事業者に提示して製品を受け取ります。このとき支払うのは自己負担分(原則1割)のみ。残りの費用は自治体から事業者に直接支払われます(代理受領方式の場合)。
💡 具体的にいくらになるの?
自己負担は原則1割ですが、世帯の所得に応じて月額の負担上限額が設けられています。住民税非課税世帯の方は自己負担が0円になる場合もあります。詳しくはお住まいの自治体にご確認ください。
よくある疑問にお答えします
「自分が対象かどうか分からない…」
障害者手帳をお持ちの方(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)や、障害者総合支援法の対象となる難病をお持ちの方が対象です。ただし、用具ごとに対象となる障害の種別や等級が異なります。迷ったら、まず障害福祉課にご相談ください。
「介護保険と両方使えるの?」
65歳以上の方や、40〜64歳で介護保険の特定疾病に該当する方は、介護保険制度が優先されます。ただし、介護保険の対象外の用具であれば、この制度を利用できる場合があります。
「自治体ごとに違うって、どういうこと?」
この事業は市区町村が運営しているため、対象品目・給付上限額・手続きの細かい流れなどが自治体ごとに異なります。たとえば、ある自治体では対象になっている用具が、別の自治体では対象外ということもあります。お住まいの自治体の情報を確認することが大切です。
「手続きに自信がない…」
全体の流れはこの記事でご紹介したとおりですが、実際の手続きは窓口の方がサポートしてくれます。また、製品のメーカーや販売事業者も申請に慣れていることが多いので、遠慮なく相談してみてください。
展示会でよくいただく声
私たちケアウィルは、自治体主催の福祉用具展示会や、理学療法士・作業療法士の学会などに出展しています。そこで当事者のご家族とお話しする中で、この制度をご紹介する機会が何度もありました。
「え、そんな制度があるんですか?」
「1割の負担で買えるなんて知らなかった!」
こうした声を、本当にたくさんいただきます。
展示会でこの制度のことをお伝えすると、「さっそく市区町村に問い合わせてみます!」と言ってくださるご家族がとても多いのです。そこから実際に給付につながったケースは少なくありません。
制度そのものは決して新しいものではないのですが、知らない方がまだまだ多いのが現実です。さらに言えば、市区町村の窓口の担当者さんでも、すべての品目や手続きに精通しているとは限らないこともあります。
だからこそ、まずは「こういう制度があるらしい」と知っていただくことが、第一歩になると僕は考えています。
ケアウィルは給付事業の「協定事業者」です
ここで少しだけ、私たちケアウィルのことをお話しさせてください。
ケアウィルは、世田谷区・品川区において、日常生活用具給付事業の協定事業者(取扱事業者)として正式に登録されています。自治体との協定締結、取扱種目の届出、口座登録といった所定の手続きをすべて完了しており、給付券による製品のお渡しから公費請求まで一貫して対応できる体制です。
また、ケアウィルのほぼすべての製品は川崎市の認証福祉製品「かわさき基準(KIS)」に登録されており、今後、「自助具」の品目でご利用いただけることが予想されます。
具体的には、以下のような製品が給付対象になっています。
当社の車いす利用者用レインウェア
→世田谷区「車いす用雨がっぱ」・品川区「車いす用レインコート」
※そのほかにも練馬区、大阪府大阪市、京都府長岡京市、茨城県笠間市で「車いす用レインコート」が対象品目に入っています。
当社では、見積書の発行はもちろん、申請に必要なカタログの送付、市区町村のやり取りのサポート、手続きに関するご相談もお受けしています。「この製品は自分の住んでいる自治体で給付の対象になりますか?」といったご質問も、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
日常生活用具給付事業は、障害のある方の「暮らしの困った」を支える大切な制度です。
1. 自己負担は原則1割(所得に応じた上限あり)
2. 購入前の事前申請が必要
3. お住まいの市区町村の障害福祉課に相談するのが第一歩
「自分には関係ない」と思っていた方も、意外と対象になるかもしれません。まずはお住まいの市区町村の障害福祉課に、気軽に問い合わせてみてください!
ケアウィルでも、この制度に関するご相談をお受けしています。「対象になるか分からない」「見積書がほしい」など、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。
[お問い合わせはこちら ]
*この記事は2026年2月時点の情報に基づいています。制度の詳細はお住まいの市区町村によって異なりますので、最新の情報は各自治体の障害福祉担当窓口にご確認ください。