車椅子の防寒対策は厚着より風を防ぐ! 作業療法士が教える冷えの原因と対策

こんにちは!ケアウィル編集部です。

冬の外出、車椅子だと「ここまで寒いのか」と戸惑ったことはありませんか。


ひざ掛けをかけても足元が冷える、動くたびにズレる、厚着をしたら今度はベルトが締まらない。そんな不便が重なり、「今日はやめておこうか」と外出を控えてしまうことも少なくありません。


この寒さの原因は、服の枚数だけではありません。車椅子では体を動かす機会が少なく、地面の冷気や走行中の風を直接受けやすいので、重ね着や毛布だけでは寒さを防ぎきれないのです。


この記事では、車椅子の冬が冷えやすい理由を整理したうえで、厚着より優先すべき防寒の考え方と、外出時に失敗しない対策を解説します。寒さを理由にお出かけを諦めないためのヒントをお伝えします。

なぜ車椅子の冬は想像以上に冷えるのか?

車椅子で感じる寒さは、服装だけで解決できる問題ではありません。体の状態に加えて、地面からの冷気や風の影響が重なることで生じています。具体的には、次の3つの条件が同時に起きているのです。


1、足の筋肉を使う機会が少なく、血流が低下する

車椅子では足の筋肉を使う機会が減るため、筋肉のポンプ作用が低下し、足への血流が低下します。その結果、体の中心でつくられた熱が足先まで届きにくくなり、ひざ掛けを使っても内側から温まりにくい状態になります。

画像引用:イラストAC


2、車椅子の座面や足元が地面に近く、下から冷気を受けやすい

座面やフットレストが地面に近い位置にあるため、冬場に冷えたアスファルトやコンクリートの影響を受けやすくなります。金属製のフットレストやフレームでは、下からの冷えが足元に伝わりやすくなります。

3、移動中に風を受け続け、体の表面の熱が奪われやすいさらに、移動中は前方から風を受け続けます。風は体表の熱を奪いやすく、弱い風でも体感温度を下げます。風を通しやすい素材では、衣類の内側に溜めた温かい空気が保たれません。

このように、車椅子の寒さは一つの原因で起きているわけではありません。体の状態・地面からの冷気・風が重なることで、想像以上に寒さを感じやすくなっています。

 

外出シーン別:失敗しない防寒対策の選び方

車椅子の防寒対策は、「とにかく暖かいもの」を選ぶだけではうまくいきません。屋外が中心か、屋内が中心か、移動が多いかといった外出シーンによって、適した対策は変わります。ここでは、よくある外出パターンごとに、防寒対策の考え方を整理します。


【屋外メイン】アウター(ポンチョ・レインウェア)で冷気を遮断

屋外での外出が中心になる場合、重ね着を増やすよりも、風を通さないアウターを一枚プラスすることが効果的です。移動中に受ける風を遮るだけで、体感温度の下がり方は大きく変わります。

車椅子では、腕を動かして操作する場面が多く、一般的なコートやダウンだと動きづらさを感じることがあります。その点、ポンチョ型のアウターは袖を通さずに着用でき、肩や腕の動きを妨げにくいのが特徴です。座った姿勢でも全身を覆いやすく、冷気を受けにくくなります。

また、レインウェアは雨対策のイメージが強いですが、防風性の高い素材で作られているため、冬の防寒にも向いています。風を遮ることで、体の周りにある温かい空気を逃がしにくくなり、薄手でも寒さを感じにくくなります。防水・撥水性があれば、雨や雪で濡れて体が冷える心配も減らせます。

屋外がメインのお出かけでは、「どれだけ着るか」より「風をどう防ぐか」がポイントになります。アウターを上手に選ぶことで、寒さによる負担を抑えながら外出しやすくなります。

【屋内メイン】着脱しやすい「ひざ掛け」を賢く活用

屋内で過ごす時間が長い外出では、着脱によって体温調整しやすい防寒対策が向いています。その代表が、ひざ掛けです。

病院やショッピングモール、公共交通機関などは暖房が効いていることが多く、アウターを着たままだと暑くなりがちです。ひざ掛けであれば、必要なときだけ掛けられ、暑くなったらすぐに外せます。屋内外を行き来する場面でも、無理なく調整できます。

一方で、ひざ掛けは掛けるだけだと、風でめくれたり、動くうちにずれ落ちたりしやすい点に注意が必要です。走行中に落ちたひざ掛けを拾おうとして姿勢が崩れたり、車輪に巻き込まれそうになるケースもあります。ただし、毎回固定する手間が負担になる場合もあるため、最初からずれにくい設計の防寒具を選ぶ視点も重要です。

屋内中心の外出でこまめに体温を調整したい場面では、ひざ掛けは負担の少ない、心強い選択肢になります。

【長時間外出】「衣類の工夫」と「座面ヒーター」を併用

屋外で過ごす時間が長い場合は、衣類による保温を基本に考えます。体の中心部分を冷やさないことで、寒さの影響を受けにくくなります。

フリースやキルト、ボアなど、軽くて保温性のある素材の衣類は、長時間着ていても負担になりにくいのが特徴です。靴下やズボンなど、足元に直接触れる部分を意識すると冷えを感じにくくなります。一方で、重ね着しすぎると動きにくさや介助の負担につながるため注意が必要です。

冷えが強い場合は、体の感覚がしっかりある方に限り、持ち運びできる座面ヒーターを併用する方法もあります。座面から体を温めることで、下半身の冷えが和らぎやすくなります。ただし、雨の日は使えないことや、感覚が鈍い方では低温やけどに注意が必要です。クッションと一緒に使う場合は、ずれにくさも確認しましょう。

要注意!ひざ掛けや厚着に潜む「意外なリスク」

防寒対策としてよく選ばれるひざ掛けや厚着ですが、使い方によっては寒さの問題だけでなく、安全面や介助の負担につながることがあります。ここでは、見落とされがちなリスクを整理します。

ずり落ちによる「車輪への巻き込み」と転落事故

ひざ掛けは手軽な防寒対策ですが、ずり落ちた状態で使用すると、思わぬ事故につながることがあります。とくに注意したいのが、車輪への巻き込みです。

車椅子のキャスター(前輪)は小さく回転しやすいため、布が近づくと絡みやすい構造になっています。ひざ掛けが前方にずれたまま気づかずに走行すると、キャスターに巻き込まれ、車椅子が急に止まることがあります。この急停止によって、体が前に投げ出されそうになる危険もあります。

画像引用:公益財団法人テクノエイド協会:福祉用具「事故・ヒヤリハット」情報 Case:333


また、落ちたひざ掛けを拾おうとして前かがみになる動作自体が、姿勢を崩す原因になる場合もあります。介助者がいても、ひざ掛けで足元が見えにくくなると、異変に気づくのが遅れることがあります。

ひざ掛けを使う場合は、寒さ対策としてだけでなく、安全面も含めて考えることが大切です。ずり落ちないよう固定する工夫や、構造上落ちにくいタイプを選ぶことが、事故を防ぐポイントになります。

 

着込ませすぎによる「介助負担」と「体温調整」の難しさ

寒さを防ごうとして衣類を重ねすぎると、別の負担が生まれやすくなります。とくに影響を受けやすいのが、「介助のしやすさ」と「体温調整」です。

厚着をすると、移乗やトイレ介助のたびに脱ぎ着が必要になり、介助にかかる時間や手間が増えます。袖や裾が引っかかりやすくなり、動作そのものが大変になることも少なくありません。また、分厚い衣類は、シートベルトや姿勢保持ベルトが正しく締めにくくなる場合もあります。

一方、屋内では暖房が効いていることが多く、厚着のままだと暑くなりがちです。脱ぐ場所やタイミングに迷い、汗をかいたまま外に出て、かえって体を冷やしてしまうケースもあります。本人が暑さや不快感を伝えにくい場合は、周囲が気づきにくい点にも注意が必要です。

厚着や重ね着をすること自体は悪くありませんが、服の枚数だけで寒さに対応しようとすると限界があるのも事実です。介助のしやすさと体温管理の両立を考えた対策が求められます。

 

ケアウィルの車椅子利用者向けレインウェアは「防寒着」として使える

ここまで見てきたように、車椅子の寒さ対策では、ただ重ね着をするのではなく、風を遮り、ずれずに安全に使えることが重要になります。

こうした条件を満たす防寒の選択肢として、弊社ケアウィルでは、車椅子専用のレインウェアを晴雨兼用で開発してきました。

レインウェアというと雨の日のものという印象が強いかもしれませんが、車椅子利用を前提に設計されたレインウェアは、走行中の風を防ぎ、下半身を覆い、動いてもずれにくい構造を備えています。そのため、冬の外出時にも防寒着として合理的に使える場面があります。


この章では、弊社ケアウィルの車椅子利用者向けレインウェアが、なぜ防寒着としても有効なのかを、機能と構造の観点から整理していきます。

 

防風・防水素材だから薄くても温かい


弊社ケアウィルの車椅子利用者向けレインウェアが防寒に有効な理由は、素材そのものにあります。耐水圧10,000mm以上の防風性の高い生地を使用しているため、走行中に受ける冷たい風を遮り、体のまわりの空気を保ちやすくなっています。

耐水圧とは、生地に水を染み込ませずに防ぐ能力「防水性」を表したものです。10,000mm以上の耐水圧があれば、一般的にスキーやゴルフなどの環境下でも十分とされています。車椅子での寒さは、気温よりも風によって体の熱が奪われることが大きな原因です。防風素材で覆うことで、厚着をしなくても体感温度の低下を抑えやすくなります。そのため、衣類を何枚も重ねる必要がありません。

また、ひざ掛けの裏面は完全防水、表面は撥水加工がされているため、雨や雪で水がひざ掛けの中まで沁みて、足を冷やすこともありません。濡れは体温を急激に下げる要因になるため、結果として寒さ対策にもつながります。天候を気にせず使える点も、冬の外出では実用的です。

このように、防風・防水素材を外側に一枚重ねることで、薄くても寒さに対応できる状態をつくれます。これが、弊社ケアウィルのレインウェアを防寒着として活用できる理由です。


3箇所ギャザーが「ずり落ち・めくれ」を防ぐ

弊社ケアウィルの車椅子利用者向けレインウェアは、走行中にずり落ちたり、風でめくれたりしにくい構造を採用しています。その要となるのが、膝まわり・膝下・つま先付近の3箇所に入ったギャザーです。

車椅子では、前進や停止の動きによって布が前方へ引っ張られやすく、一般的なひざ掛けやポンチョはずれやすくなります。ギャザーによって下肢の形に沿うようにフィットさせることで、動きに追従しやすくなり、布の移動を抑えます。

ずり落ちやめくれが起きにくくなることで、走行中に直す手間が減り、車輪への巻き込みリスクも抑えやすくなります。防寒だけでなく、安全面を考えた設計である点も重要です。

このように、3箇所のギャザーは見た目の工夫ではなく、車椅子で動くことを前提にした構造的な対策です。寒さと安全の両方に配慮した設計が、防寒着としての使いやすさにつながっています。

夜道の安全を守る「リフレクター」と使い続けやすい収納性

弊社ケアウィルの車椅子利用者向けレインウェアは、防寒だけでなく、冬の外出時の安全性にも配慮しています。その一つが、前方からの視認性を高めるリフレクターです。

冬は日没が早く、雨や曇りの日は周囲が暗くなりがちです。車椅子は目線が低く、歩行者やドライバーから気づかれにくい場面もあります。リフレクターがあることで、ライトが当たった際に存在が伝わりやすくなり、夜道での不安を減らしやすくなります。

また、防寒具は「持ち運びやすさ」も重要です。脱いだあとにかさばったり、濡れた面の扱いに困ったりすると、使わなくなりがちです。コンパクトにたためる構造であれば、必要なときだけ使い、不要なときは無理なく収納できます。

防寒・防風だけでなく、安全に使えて、持ち歩きやすいこと。こうした実用面まで含めて設計されている点が、冬の外出で継続して使いやすい理由になります。

>>ケアウィルの「車椅子利用者向けレインウェア」

 

寒さを理由に「お出かけ」を諦めないために

車椅子での寒さは、厚着が足りないから起きているわけではありません。

動かない姿勢、地面からの冷気、走行中の風といった条件が重なり、寒さを感じやすくなっています。そのため、防寒対策では「温める」よりも、「風を遮り、安全に使えること」が重要になります。

外出シーンに合わせて、アウターやひざ掛け、衣類の工夫を使い分けることは有効です。一方で、ずり落ちや巻き込み、介助負担といったリスクにも目を向ける必要があります。寒さ対策は、快適さだけでなく、安心して外出できるかどうかが大切です。

その一つの選択肢として、弊社ケアウィルでは、19名の車椅子利用者とともに、走行時の安全性と防寒性を両立するレインウェアを晴雨兼用で開発してきました。防風・防水素材、ずり落ちにくい構造、安全性や収納性まで含めて考えることで、冬の外出でも無理なく使える防寒対策につながります。

寒さを理由に外出を控えてしまう前に、まずは足元や風への不安を一つ減らすことから始めてみてください。選択肢を知ることで、「できること」は、少しずつ増やしていけます。

>>ケアウィルの「車椅子利用者向けレインウェア」