こんにちは!ケアウィル編集部です。
三角巾を毎日のように使っていると、「三角巾で首が痛いのは仕方ない」と思ってしまいませんか?そして、どこかで無理をしていませんか?
三角巾は、腕の重さを首にかけた部分だけ支える3点構造のため、上肢の骨折や片麻痺などで長時間使うと、正しく付けていても首や肩に負担が集中しやすいことがあります。

この記事では、三角巾で首が痛くなりやすい理由を生活目線で整理し、今使っている三角巾のままで負担を減らす工夫を紹介します。
三角巾で首が痛くならない方法① 結び目の位置を見直す
三角巾で首の痛みが気になり始めたら、まず見直したいのが結び目の位置です。大きな工夫をしなくても、ここを変えるだけで首の負担が軽くなることがあります。
結び目が首の真後ろ(うなじの中央)にあると、その一点に腕の重さが集まりやすくなります。片腕の重さはおよそ5キロ(体重の6〜8%)とされ、首だけで支える状態が続くと、痛みやだるさが出やすくなります。

この負担は、付け方が間違っているから起きるものではありません。毎日のように長時間使うことで、首のうしろに圧が集中しやすい構造そのものが影響しています。正しく付けているつもりでも、首がつらくなってくるのはそれが理由です。
もし結び目が首の真後ろにあるようなら、まずはそこから外してみてください。支える腕側の肩に近い位置へ、ほんの少しずらすだけで、首のうしろへの当たりが和らぐことがあります。数センチ動かすだけでも構いません。

結び目の位置に「正しい場所」はありません。その日、その時の首の状態や姿勢によって、ラクに感じる位置は変わります。左右どちらに寄せるかを決める必要もなく、一日中同じ位置にしておく必要もありません。首に直接当たらず、本人がラクに感じる位置を基準に調整してください。
三角巾で首が痛くならない方法② 腕の高さを調整する
三角巾で首の重さやだるさを感じるときは、腕の高さも確認したいポイントです。腕の位置を少し見直すだけで、腕の重みをささえるために首にかかる負担が軽減されることがあります。
三角巾は首の後ろで腕をささえる構造なので、腕が下がるほど腕と身体の密着が損なわれ、腕の重さがそのまま首にかかりやすくなります。見た目が自然に見えても、腕の位置が低いと、首には負担がかかっている状態になります。

特に、指と肘が一直線にならず、どちらかが下がっていると、腕全体が三角巾の中で安定せず、重さが先端側に逃げます。その結果、首元のひもが強く引かれ、違和感やだるさにつながることがあります。長時間使うほど、この影響は積み重なっていきます。
前腕(肘~手首)が体の前で大きく下がらず、胸の下あたりで支えられている高さが目安です。指先がだらんと下に垂れず、肘が三角巾の中でブラブラしない状態を意識すると、首への負担が軽くなります。

腕の高さも、結び目と同様に固定する必要はありません。立っているとき、座っているとき、歩いているときで、ラクな位置は変わります。外出前は問題なくても、時間が経つと腕が下がっていることもあります。首が重く感じたら、まず腕の位置を見直してください。
三角巾で首が痛くならない方法③ 首への圧を分散する
三角巾をつけていて首がヒリヒリしたり、赤みが出たりする場合は、首への圧が一点に集中している可能性があります。
布がよれて細くなっていると、同じ重さでも首に当たる面積が小さくなり、圧が強く感じられます。長時間使うほど、この圧はじわじわと首に蓄積していきます。
三角巾の布をねじらずに広げて首に当てる、または首元にフェイスタオルや薄手の布を一枚挟むだけでも、首への負担が変わります。接触面が広がることで、首への圧が分散され、違和感が和らぐことがあります。

三角巾で首が痛くならない方法④ 付け方を使い分ける
三角巾の付け方を変えないまま一日を過ごすと、だんだんと無理が出やすくなります。体の緊張や疲れ方は、時間とともに変わるからです。
使い分けの考え方はシンプルです。家で過ごす時間は、結び目を少しゆるめたり、布を広げたりして首への圧を減らす、外出や移動が多いときは、安定性を優先して腕をやや高めに支える、食事や作業の前後では、腕の位置を整え直して首の引っ張られ方を軽くする。このように状況に合わせて、その都度変えて構いません。

三角巾は、決めた形を守り続ける道具ではなく、その日の体の状況に合わせて調整する道具です。途中で直してよい、変えてよい。その前提で使い分けることが、首の負担を減らし、長く使い続けやすくなります。
三角巾以外の選択肢もある
ここまで紹介してきた工夫を重ねても、首のつらさが残るケースはあります。それは、やり方が足りないからでも、我慢が足りないからでもありません。三角巾という道具の特性と、今の生活の条件が合わなくなってきている可能性があります。
三角巾は、一時的な固定を優先した場面で役割を発揮する道具です。毎日のように長時間使う状況や、片麻痺などで生活の中で使い続ける場合には、首への負担が積み重なりやすくなります。結び目や高さ、当て布を工夫しても、構造上、首にかかる重さそのものがなくなるわけではありません。
位置を直すと一時的にラクになる、赤みが休めば引く、といった状態であれば、三角巾の工夫で対応できる範囲かもしれません。一方で、調整しても首の痛みが続く、夕方になると疲れが強く出る、本人が三角巾を嫌がるようになる、といった変化が重なってきたら、別の選択肢を考えてよいサインです。

長期使用が必要な場合や片麻痺がある場合は、首ではなく、肩や背中で腕の重さを分散する考え方の道具が使われることもあります。その一つとして、弊社ケアウィルでは「アームスリングケープ」という製品をつくっています。首のひもで支えるのではなく、背中側にも重さを逃がす設計で、生活の中で使い続けることを想定しています。

背中側に重さを分散させる設計は、赤ちゃんの抱っこ紐の原理を利用しています。伸縮性があるゴム素材を背中側に這わせることで、腕の重みを両肩と背中に逃がしています。

また三角巾のように、腕が安定せず斜めにならないよう、アームスリングケープでは内袋に手を入れる際、中央の穴から親指を出すことで、より腕の安定性が高められるようになっています。

そしてもう一つ、弊社ケアウィルでは”腕の高さ調整の機能”がついた「アームスリングシャツ」があります。

アームスリングシャツは、2025年5月に発売されました。片手の小さな動作でひとりで簡単に着脱ができ、縦15cmある片方の面ファスナーを使って、保持する前腕の高さを自由に決められます。また、患側にあるループ(ゴム紐)を中央のボタンに留めることで、肘をやや内側に寄せることができ、患側の肘をしっかりと固定します。通気性と速乾性が高い素材なので一年を通して着られます。

三角巾が辛くても我慢し続ける必要はない
三角巾で首が痛くなるのは、付け方が間違っているからとは限りません。三角巾は腕の重さを首で支える構造のため、毎日のように長時間使うと、どうしても負担が集中しやすくなります。
この記事で紹介した方法をやってみても、つらさが続く場合は、我慢し続ける必要はありません。大切なのは、「正解」を守ることではなく、本人の負担が減るかどうかを基準に選ぶことです。楽に続けられる方法は、一つではありません。
無理を重ねず、少しずつでも楽になる選択をして構いません。三角巾を使い続ける場合も、別の道具を検討する場合も、どちらも間違いではありません。今の状態に合った方法を、いちばん大切にしてくださいね。